自然を感じながら生きる智慧。二十四節気 七十二候のすすめ

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明治の初めころまでは、日本は旧暦を使用していました。

現行の暦が、地球が太陽の周りを回る周期をもとに作られているのに対して、旧暦は、月の満ち欠けを基準としています。

月の初めは新月、そして「十五夜」が満月であることからもわかるとおり、旧暦は29日、あるいは30日でひと月になります。

これを一年(12ヶ月)にすると、旧暦の一年は354日しかありません。

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季節とのずれが生じる旧暦

現行の暦の一年、地球が太陽の周りを一周するのに365日かかりますが、旧暦の一年はこれよりも11日短いということになります。

このままだと、3年で約1ヶ月の差が開き、さらに年数がたてば、そのうち夏と冬が入れ替わる日もやってきます。

この季節のずれを解消するために、旧暦には約3年に1回、正確には19年に7回、「閏月」を入れて1年を13ヶ月にした「閏年」があります。

しかし、それでも「閏月」の前までには30日以上の差が生じてしまっているわけで、季節とのずれはどうしても出てしまいます。

季節の指標、二十四節気

さて、前置きが長くなりましたが、季節とのずれがどうしても出てしまう旧暦を使用しても、季節感を損なわないために取り入れられていたのが、「二十四節気」なのです。

四季が一年(365日)を4分割したものだとしたら、二十四節気は一年を24等分したもの。

農業には旧暦が適している、とよく言われますが、これは先ほど説明した月の満ち欠けの旧暦ではなく、季節の基準として取り入れられている二十四節気や雑節などの暦のことを言っているようです。

夏至、冬至、春分、秋分などは現行のカレンダーでも馴染みのある、誰でも知っている二十四節季ではないでしょうか。

ほかにも、大暑、霜降、大寒、啓蟄など15日ごとの節目にその季節に適した言葉があてられています。

(二十四節気 詳細→http://www.nobi.or.jp/calendar/24.html

二十四節気をさらに3つにわけた七十二候

さらに二十四節気を5日ずつ、3つにわけたのが「七十二候」です。

七十二候は、気象の動きや動植物の変化など、自然界のさまざまな場面を簡単な言葉で描写することで、5日ごとの季節の移り変わりを見事に表現しています。

七十二候も二十四節気と同様、古代中国の由来ですが、中国と日本では気候が多少異なるため、日本では、気候風土に合うように、日本独自の「本朝七十二候」が使用されています。

とはいえ、日本でも北と南では気候に差があるので、かならずしも七十二候の表現があてはまるわけではありません。

自分の住む地域のオリジナルの七十二候を作成してみるのも面白いかもせれません。

(七十二候 詳細→ウィキペディア

ちょっと前になりますが、朝日新聞デジタルでこんな書籍も紹介されていました。

白井 明大
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七十二候だけでなく、その時々の旬の魚や野菜、果物、季節の花や鳥などがオールカラーのイラストで紹介されているようです。ちょっと気になります。

二十四節気と七十二候を取り入れた生活

現行のカレンダーでも、二十四節気がすべて書かれているものも少なくないですが、あったとしても見えないくらいの小さな文字で、見過ごしてしまいがちです。

毎日見るカレンダーに、二十四節気をでかでかと見える文字で、さらに七十二候も書き加えれば、少なくとも5日ごとに季節を、自然を気にかけるきっかけができます。

自然の少ない都会であわただしく暮らす人も、道ばたの雑草や街路樹、公園の植物、鳥の鳴き声、風の匂いなどに意識が向く機会が増えるかもしれません。

日本人は、四季に恵まれたこの国で、刻一刻と移り変わる自然を毎日の生活の中で身近に感じ、その鋭い感受性や八百万の神々に象徴されるアニミズム的自然観を育んできたのだと思います。

かつては日常的に使われていた二十四節気と七十二候を日々の生活に取り入れて、自然を全身で感じ、小さな季節の移り変わりに目を向けてみませんか?

コメント

  1. ちさと より:

    そんなに細かく分かれている暦があるんだね~!沖縄は旧暦結構使ってるみたいだね☆