山林に家を建てる前に知っておきたい都市計画法と建築基準法

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kenchiku-yoteichi

写真は小屋建築予定地。刈った笹が地面に山積しています。

ここ数日、家を建てるにあたって関係してくる法律について調べていて、私の頭の中でいろいろなことがクリアになってきました。

今回は山林小屋セルフビルドするという観点から、都市計画法と建築基準法について見ていきます。

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家を建ててもよい土地

日本の国土は都市計画法により、以下のように線引きされています。

  • 都市計画区域
    • 市街化区域
    • 市街化調整区域
    • 非線引き都市計画区域
  • 準都市計画区域
  • 都市計画区域外

開発行為(造成など)を行う場合、開発許可が必要な広さが区域によって決められていますが、それについては、個人が家を建てる程度ではまったく関係がないのでここでは省略します。

都市計画法は、山林に家を建てる前というよりも、山林を購入する前に知っておいた方がよい知識です。

 

さて、私のように土地を買ってそこに家を建てようとした場合、まず押さえておきたいのは、そこが家を建ててもよい土地かどうかです。

 

日本の国土の中で、建築物を建てることに唯一制限がかかっているのが、都市計画区域の中の市街化調整区域です。

逆にいえば、市街化調整区域以外であれば、日本全国どこに家を建てても問題ないということです。

市街化調整区域は、「市街化を抑制する区域」なので、新しく建築物を建てることは原則できません。

 

私は以前、好きに使ってよい山林をタダで借りられる話をいただいたことがあり、いろいろとイメージをふくらませていました。

ところがよくよく調べてみると、そこは市街化調整区域だったことがわかり、残念ながら借りるのを断念したことがあります。

ちなみに農林漁業従事者用の住居や小屋などであれば都市計画法のしばりは一切なく、たとえ市街化調整区域であったとしても、手続きさえすれば自由に建てることができるそうです。

 

 

建築確認と工事届

購入した土地が市街化調整区域ではなく家を建てられることがわかったら、次に確認しておきたいのは、建築確認が必要かどうかです。

建築確認とは、建築基準法などの建築関係の法令に適合しているかどうかについての審査です。

これに関して、さきほどの都市計画法の線引きのうち、都市計画区域と準都市計画区域ではほぼすべての建築物が建築確認を必要とします。

 

その点、都市計画区域外では、以下の条件に該当しなければ建築確認は不要です。

  • 特殊建築物で、その用途の床面積の合計が100㎡を超えるもの。
  • 木造3階建て以上、または延面積500㎡、最高高さが13m、もしくは最高の軒高が9mを超えるもの。
  • 木造以外で2階建て以上、または延面積が200㎡を超えるもの。
  • その他都道府県知事が指定する区域内。

 

つまり、都市計画区域外では、木造二階建て程度の一般的な住宅であれば建築確認が不要ということです。

これは今回調べていてはじめて知りました。

私が購入した山林は都市計画区域外にあたるので、思わずニヤリとしてしまいました(笑

 

だたし、建築確認が不要なだけで建築基準法を無視してよいわけではないみたいです。

また、いずれにしても建築物を建てる際には工事届の提出は必要です。

建築工事届は行政が統計調査に使うためのものらしく、ただ届け出ればよいだけで検査などはなく、着工前に提出し、完成したら建築完成届を出します。

 

雨風しのげてそれなりに快適に住めればよいというレベルの小屋を、専門的な知識のない私のような素人がすべてセルフビルドする場合、建築基準法を順守した建築物を建てるのはちょっと敷居が高い気がしてしまいます。

そこでよく見かけるのが、建築基準法のしばりを受けないようにするために、面積が10㎡(約3坪)以内の小屋をつくるという方法です。

 

 

3坪小屋と建築物の定義

建築基準法には、「建築物」についてこう書かれています。

 

「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの」

 

建築基準法では建築物は基礎に固定するように定められています。

基礎に固定すると、「土地に定着」していると見なされ、「建築物」になるわけですが、基礎に関して、「延べ面積が10平方メートル以内の物置、納屋その他これらに類する建築物には、適用しない」とあります。

つまり、3坪小屋であれば基礎に固定する必要はないということです。

建て物の土台をただブロックなどを置いただけにすれば「土地に定着」していないという見方ができ、「建築物」にはならず、建築基準法の適用外となるわけです。

セルフビルドで3坪小屋を作る人はこの部分に着目しているのだと思います。

 

しかし、よく議論の対象になるのが「土地に定着する」の部分です。

この部分の解釈は地域によってもいろいろなケースがあるようで、ただ基礎に固定されていなければ、「土地に定着」していないとする見方は必ずしも成り立たないようです。

 

平成16年に国土交通省から、「コンテナを利用した建築物の取扱について(技術的助言)」という通達がでています。

http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/0000000000000/1246838503911/files/jogen2174.pdf

(リンクは広島市ホームページ)

 

以下、重要な部分を抜粋。

 

最近、コンテナを倉庫として設置し、継続的に使用する例等が見受けられる。このような随時かつ任意に 移動できないコンテナは、その形態及び使用の実態から建築基準法第2条第一号に規定する建築物に該当する。

 

ここでポイントとなるのは、「継続的に使用する」と「随時かつ任意に移動できない」という部分です。

「随時かつ任意に移動」とは、一ヶ所にとどまらずキャンピングカーやトレーラーハウスのように「いつでもすぐに移動できる状態」と言い換えることができそうです。

「建築物」かどうかは固定方法だけではなく、継続時間も判断基準になっているようです。

この通達によれば、基礎を固定せず、ただ土台の上に作った3坪小屋でも、「継続的に使用」し「随時かつ任意」に移動できなければ、「建築物」と判断されてしまうということになります。

つまり、3坪小屋でも建築基準法が適用されるのです。

 

私は建築基準法の適用を避けるために、当初は3坪以内の小屋を作ろうかと考えていましたが、いずれにしても「建築物」と見なされ建築基準法が適用されるなら、わざわざ3坪以内に制限する必要はなくなりました。

なんかとてもすっきりした気分です。

建築基準法の規定を満たせる自信はありませんが、私が購入した山林は都市計画区域外で建築確認は不要なので、どうせならもう少し広い小屋を建てようかと考えています(笑

 

そもそも、建築基準法はあくまでも「建築物の設計や施工する業者に一定の基準を設けるための法律」と解釈するのが妥当なのではないでしょうか。

そこで客商売でもするならともかく、個人が自分の土地で自分で設計して自分で建てて自分で住む家なら誰にも何も迷惑がかかるわけでもありません。

もし建築基準法の規定を満たしていなくて安全性が確保されていなくてもそれは自己責任の範疇で、そこに法律を適用して、第三者がその家は違法建築だ!とわざわざ目くじら立てる必要性はない、というのが私のかなり楽観的で勝手な解釈です(笑

 

まとめ

最後に、要点だけをまとめてみます。

 

  1. 市街化調整区域は原則建築物を建てられない。
  2. 都市計画区域外では、木造二階建て程度の一般的な家ならば建築確認は不要。
  3. 基礎を固定しない3坪小屋でも、「建築物」の解釈によっては建築基準法が適用される。

 

山林に小屋をセルフビルドして住むには、建築確認が不要な「都市計画区域外」の土地がベストです。

 

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7 Comments

  • たかの
    2014/03/17 - | Permalink

    貴重な情報をわかりやすく教えてくださり、ありがとうございます。
    ぼくも、自然の中で暮らしたいとかんがえているので、
    こういう情報をまとめてくださると、ほんとうに助かります。

    ほまれさんは、ログハウス検討されていますか?
    キットをかって自分で立てれば
    普通の家よりは、だいぶ安いみたいですけど、
    シロアリ対策など、メンテが大変らしいです。
    あと、基礎工事をしっかりやらないと、柱が腐ってくるらしいです。

    むかし、アイアムヒッピーという本を書いた ポン(山田塊也さん)
    さんという人がいて、その人を特集したテレビ番組をみたんですが、
    (今でもネットの動画がおちているみたいです)
    山奥にほんとうにボロボロの小屋を建てて、自給自足していたみたいです。
    この人なんて、まさに仙人ですが、
    金がなくなると山里に降りて、似顔絵を描いてたみたいです。

    • Homare
      2014/03/24 - | Permalink

      たかのさん

      いろいろコメントありがとうございます。

      長野の大鹿村にいたときにログハウス作りを手伝ったことがあるので、
      材や重機などがそろっていれば建てたいくらいですが、
      なにしろ車が入れないところに小屋を建てることになるので、
      材もコツコツ手運びするしかなく、大がかりな建築は難しそうです。

      今のところホームセンターで材を買って、2×4で簡単な小屋でも作ろうと検討中です。

      ポンさんの書いたものをいくつか読んだことあります。
      コミューンで共同生活していたり、洞窟で生活していたり、
      とても面白かったです。

      またいろいろ教えてください♪

  • 2014/11/23 - | Permalink

    はじめまして
    僕も現在山林に小屋を作っています。

    許可の問題等で悩んでいたところこちらのサイトにたどりつきました。

    僕は自己責任でいいと思っていますが、
    近隣のおじちゃん達は許可の事をいってくるかと思っていて少し心配です。

    三坪でおさめようかとも思いましたが、やめて自由に作る事にしました。

    その後現在建築されていますが、許可等は申請されましたか?

    もしよかったら長野の山林で小屋をつくっていますので
    みていただけたらと思います。

    突然のコメントですみません。

    https://www.facebook.com/events/1505849466329511/

    • Homare
      2014/11/24 - | Permalink

      ぼぼさん

      コメントありがとうございます。
      Facebook拝見しました。にぎやかそうな現場ですね。
      ご質問の件ですが、私の土地は都市計画区域外なので建築確認申請は不要なため、申請はしていません。

      都市計画区域内でしたら建築確認を申請する必要があるみたいです。

  • 2014/11/26 - | Permalink

    お返事ありがとうございます。

    今後もブログの更新楽しみにしています。

  • むんさん
    2016/01/16 - | Permalink

    楽しく拝見させていただきました
    私も山に住む夢があります
    実現されていることを羨ましく思います
    一つ教えてください。そのように建てたものには、一般的な住宅のように固定資産税はかからないのでしょうか?思い付きの質問ですみませんが、よろしければ教えてください。

    • Homare
      2016/01/17 - | Permalink

      むんさん
      土地は払っていますが、今のところ建物に関しては請求もこないので払っていません。
      ちょっとあやふやな知識ですが、登記しないと税金がかからないのかもしれません。

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