テントで生活するにあたって必要な最低限の設備もひと通り整い、ようやく小屋の建築に着手しはじめました。
今回は、基礎づくりをご紹介します。
基礎を作る前に、まず建物の面積を決める必要があります。
私はそれなりに快適に暮らせる広さをイメージしていろいろ考えた結果、約6坪(12畳)の建坪に3坪(6畳)のロフトを付けることにしました。
小屋を建築している場所の都合上、面積を広くするには建物の形を長方形に伸ばしていくしかないので、6坪と言っても長方形に長い形です。
ちなみに、建物の具体的な床面積は合板(1820×910)のサイズを目安に、それをどのように並べるかで決めています。
建築場所のマーキングと直角の出し方
面積が決まったら、ひもなどを使って建築予定地に実際に線引きをしてみます。
まず、一辺を適当に決めて、その辺の端から直角方向に線を引いていくということを繰り返して、長さと直角が正確であれば最終的に始点に戻り四角が出来上がります。
直角は「さんしご」と呼ばれる直角の出し方を参考にしました。
3辺の長さを3:4:5にすると直角三角形ができあがるという方法です。
このような長めの細い板で直角定規をつくり、正確な直角を測れるようにします。
私の場合は結構正確に線を引くことができ、誤差は1センチでした。
この線引きはあくまでも目安なので、それほど正確でなくても問題ありません。
水糸の張り方で参考になったサイト
さて、基礎をつくるにもいろいろなやり方があります。
小さな小屋であれば、ある程度突き固めた地面にブロックを並べて一つ一つ水平をとってそれを基礎とすることもできますが、私がつくろうとしている小屋はそれなりの広さがあり、長さがあるので、基礎の位置や水平を正確に出すために、ちゃんと水糸を張ることにしました。
私は数年前、長野の大鹿ふりだし塾でひと冬お世話になっていた時、ログハウスの建築をさせていただき、タイミング良く基礎から関わることができたのですが、そのときすでに水糸は張ってあり、基礎を立てる穴を掘る段階からでした。
このときの経験で基礎づくりがどんなものなのかはだいたいわかっていましたが、水糸の張り方はよくわからず、いろいろ検索してみたところとてもわかりやすく解説しているサイトを見つけました。
http://www.green-bell.co.jp/assembler/assembler03.html
このサイトはかなり参考にさせていただきました。
ありがとうございます。
水平の出し方と基礎の高さ
建て物のだいたいの位置が決まったらその周囲に杭を打ち、その杭に水平ラインを付けていきます。
杭には、それなりに丈夫でまっすぐな木の枝をその辺から拾ってきて利用しました。
水平の出し方は、ビニールチューブを使いました。
水を入れたバケツにビニールの細いチューブを入れて、もう片方の先端を杭のところに持っていくとバケツの水面と同じ所でチューブの中の水が安定します。
この方法で、すべての杭にバケツの水面と同じ高さの位置に印をつければ、水平ラインを取ることができます。
基礎の高さを決めていればこのラインを目安に上下に必要な長さを測って印をつけていきますが、私の場合ははじめに印をつけた高さをそのまま基礎の高さにすることにしました。
ちなみに、先ほど紹介したサイトによれば湿気た土地でも基礎の高さが20センチ程度あれば風通しも良く十分だそうです。
次は杭の印に沿って板を付けていきます。
以前住んでいた家の近所にフォークリフトなどで使うパレットの壊れた廃材置き場があり、持ち主に聞いてみると好きなだけ持って行ってよいということだったので、まだ使えそうなパレットとバラバラになって釘がついていない板をたくさんもらってきていました。
そのときの板が、ここで役立ちました。
基礎ができてしまえば不要となるものなので、わざわざ買わずにあるもので代用できたのはとてもラッキーです。
凍結深度
板を張ったら次は水糸を張っていきます。
水糸の張り方は先ほどご紹介したサイトに詳しく書いてあります。
水糸を張ったら基礎の正確な位置が出ますので、次はその場所に穴を掘っていきます。
穴を掘るいちばんの目的は、凍結深度より深いところまで土を取り除くことにありますが、先ほど紹介したサイトによると、標高が500メートル以下であれば地中の凍結はほとんどないようです。
この場所は200メートルもないと思うので凍結深度を気にする必要はなさそうですが、それよりもここが昔は田んぼだったという事の方が重要です。
田んぼ跡地に建築
この場所は昔田んぼだっただけあって地表付近は粘土質の軟らかい地盤なため、地面にブロックを置いただけの基礎などはもってのほかですが、だいたい30センチくらい掘れば石がゴロゴロと混じった赤土の固い地盤が出てくるので、私はそこまで掘りました。
田んぼだった土地は地盤がゆるく、そこに建物を建てるなんて考えられないというのが世間の一般的なイメージだと思います。
私も同じでしたが、実際には軟らかいのは地表付近の土だけで、田んぼの下の層の地盤が出るまで掘れば問題なさそうです。
まあ、今はまだ何とも言えませんが。。
将来、基礎が沈んで小屋が傾いたら笑ってください(笑)
穴に石を敷き詰める
基礎穴には砕石(砂利)を入れるのが一般的みたいですが、私は穴の底の方には比較的大きな石を敷き詰めてみました。
これで大丈夫なのかどうかはわかりませんが、地産地消というか、土地にあるもので利用できるものは利用したいという思いで、石はそこらへんに落ちているものや敷地内の川にゴロゴロしている石をせっせと拾い集めてきました。
すべて人力なので、川とこの場所を何往復したかわからないほど地道な作業でしたが、土砂で川の流れが滞っていた場所があり、そこから石を運んでくることで川も開通し、結果的に一石二鳥でした。
最終的に細かい石を敷き詰めてこんな感じになりました。
ヨイトマケ
石を敷き詰めたら、丸太に棒をくっつけたこんな道具を作り、せっせと突き固めます。
突き固めて必要な高さよりも低くなったところにはまた砂利を補充し、もう一度突き固めました。
ちなみに、美輪明宏さんの「ヨイトマケの唄」という有名な曲がありますが、建築現場の地盤固めのこの作業をヨイトマケと言います。
ご存じでしたでしょうか?
沓石とブロックをモルタルで固定
独立基礎はボイド管に鉄筋を入れてモルタルを流し込んで自作する方法もありますが、今回の小屋建築では手っ取り早くホームセンターで買ってきた羽子板沓石とブロックを使うことにしました。
小屋の外周の基礎には羽子板沓石を使うことにしました。
羽子板沓石は全部で14個。
高さはいちばん高い300ミリです。
このサイズの羽子板沓石はどこのホームセンターでも通常1個1000円以上はしますが、私が買ったときはなぜか私がほしかったこのサイズだけ安くなっていて、1個700円くらいで買えました。
ラッキーです。
内側の基礎にはブロックを使用しました。
羽子板沓石と同じ30センチくらいの高さにするために、二つ並べたブロックの上にもう一つ平積みのブロックを乗せることにしました。
ブロックは平積みにすると強度が弱いと聞いたことがあるので、石ころとモルタルを詰め込んで穴を埋めました。
使用したブロックは全部で18個。
ブロックは1個100円くらいなのでとても経済的です。
基礎完成
すべての沓石とブロックをモルタルで固定したら、水糸や板や杭を撤去し、基礎の完成です。
建物との固定は外周の羽子板沓石で行い、内側のブロックはただ乗っかっているだけという基礎です。
神社仏閣をはじめ昔の建物は、礎石の上に束を乗っけているだけだったりするので、これでも問題ないと思います。
建築基準法的にはわかりませんが(笑)
基礎の歪みは建物全部に影響してきますので、高さや水平や位置を妥協なくしっかりと合わせることが理想です。
基礎の上に束を立てたり、束に渡したツーバイ材を大引きにする場合などはそのときに水平を合わせることができますが、私の場合はこの上に建物の土台となる角材を直接乗せてしまうので、基礎の水平と高さと位置はしっかりと合わせる必要がありました。
感触としては、それなりに上手く出来たような気がしています。
車を駐車している道路からこの場所まで山道を200メートルくらいせっせと人力で運んで来るので、これだけの量を運ぶのも汗だくで一苦労です。
すべての資材はこのようにして人力でせっせと運んできています。
まあ、マイペースにぼちぼちやっています。
次回はこちら
ツーバイフォー(2×4)で12畳(6坪)ロフト付きの小屋をセルフビルド【土台・床】
電子書籍になりました
ツーバイフォー工法参考書
コメント
いよいよって感じですね。
ブログを拝見していて、わくわくしてきました。
「ほんとうに出来ちゃうんだ。
一歩ずつ、進んでいけば、道は開けるんだ」
っていう一筋の光を見たように気がしました。
たかのさん、いつもコメントありがとうございます。
かなりスローペースですこしずつですが、焦らずコツコツ築き上げて行ければと思っています。
誉く~ん∧∧
いいかんじだね~。
今度遊びに行かせてください。
たかしくん
ブログ見てくれてありがとう!
おかげさまでティピもつくれたよ。
ぜひ遊びに来て~♪
Homareさん
こんばんは〜
前回もいろいろ細かくお返事ありがとうございます
ガラスの件、失礼しました
こちらは長野県なので地元のガラス屋さんに見積ました
今回はまたまた出だしの質問ですがHomareさんは建築許可申請はご自分で設計図書いて提出されたのですか?
私は20畳のロフト付きの小屋を建てますが建築許可申請は設計士じゃないとダメですか?毎回すみません!
失礼します。
ほまれ様のブログを参考に、6畳ですがついに屋根まで進みました。
心より感謝いたします。ありがとうございます。屋根材で悩んでおりますが、波板の水上、水下部分の波の間からの雨水の侵入が心配ですが、どのように施工されているのか気になります。よろしければ教えて頂くと幸いです。
お役に立ててうれしいです。
波板の下のすきまはふさいだりしていませんが、5年が経過した今でも問題なさそうです。
ルーフィングを敷いているので、もし水が入ったとしてもまあいいか、くらいに考えてました。
お返事ありがとうございます。
ほまれ様のようにルーフイングも敷きましたので、安心いたしました。
鹿児島のほうで取り組んでおります。
お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください!
ありがとうございました。