2年半ほど前に中古で購入した軽バンのホンダバモス。
購入したときは真冬だったのでまったく気にしていなかったのですが、夏になるとエアコンが効かないことが判明しました。
最初の夏は「あまり冷えない」くらいに思っていたのですが、それはあとから考えると希望的観測だったようで、2年目の夏には「まったく冷えない」ということがはっきりしました。
7月の日中の炎天下の中、岡山と神戸を下道で往復したときのこと。
片道3時間ほど、常に最大風量のエアコンからは生暖かい風が出てくるばかり。
窓を開けても外は灼熱でまったく涼しくないし、窓を閉めても車内は熱気で満ちているし、開けた方がよいのか閉めた方がマシなのかしばらく判断がつきませんでしたが、結局エアコン最大風量のまま窓も全開というところに落ちつきました。
妻や子供に毎年こんな暑い思いをさせるのも申し訳ないので、まだ残暑の続くその年の9月ごろ、行きつけの修理屋さんでエアコンガスの補充をしてもらうことにしました。
30分くらいの待ち時間でそれなりに冷えるようになりました。
6000円くらいかかりましたが、こんなに簡単にエアコンが復活するならもっと早くにやっておけばよかったです。
そして、今年もまた暑い季節がやってきました。
ある梅雨の暑い日、今シーズンはじめてエアコンのスイッチオン。
昨年ガスを入れたばかりなので今年は快適なエアコンライフを送れると思っていたのですが、なかなか冷たい風が出てこない。
まあ今年はじめて使うし、冷たい風が出てくるまでちょっと時間がかかるのかもしれないな、なんて思いながら風量を最大にしてしばらく待ってみましたが、車内は一向に涼しくなりません。
吹き出し口に手を近づけてみても、冷えてると思いたい気持ちとは裏腹に生ぬるい風が出てくるばかり。
なるほど、そういうことか。
おそらく、エアコンのガスがもれているのです。
もしそうだとすると、今年またガスを入れても来年は空っぽになってしまうわけで、毎年ガスを入れなければなりません。
ガスもれの修理をするという選択肢もありますが、修理代がかなり高額になるそうです。
仮にあと10年この車に乗ったとしても、毎年ガスを入れた方が安くつくほどです。
私はこれまで自分が乗っている車のメンテナンスを、素人ながらDIYでいろいろ挑戦してきました。
ガスの補充を修理屋さんにお願いしてもいいのですが、毎年のこととなると自分でできれば経済的です。
また、一度できるようになってしまえばこの先ほかの車でも対処できるようになります。
エアコンガスの補充は素人にはハードルが高そうだと思っていましたが、ネットで調べてみるといろんな人がやり方をわかりやすく書いていて、そんなに難しい感じでもなく必要な道具さえあれば自分でもきそうな気がしました。
エアコンガス充填に必要なもの
さっそく必要なものをネット注文。
まずこちらがガスを注入するために絶対に必要な道具、ガスチャージホースです。
こうした専門的な道具は結構高額なのかと思っていましたが、安物ならかなり手ごろな値段で売っていてちょっとびっくり。
最初にこれさえ手に入れてしまえば、あとは必要な時にガスだけ買えばいいだけです。
こちらはエアコンのオイル入りのガス缶。
エアコン作動時に異音がするようならオイルを入れた方がよいらしく、私の場合はなんとなく異音がしているような感じがしたので入れてみることにしました。
ガスもれが疑われる場合、オイルを入れることでもれが少しマシになると言う人もいます。
こちらがいわゆるエアコンガスです。
私が乗っているバモスはHFC-134aという種類のガスを使います。
1990年頃から2013年頃の車にこのガスが使用されているそうです。
最近の車はガスの種類も違うし、もしかしたら充填方法も違うかもしれません。
以前エアコンガスの値段を調べたときに確か6000円近くしたような記憶があり、修理屋さんでガス補充を頼むと6000円くらいするのはほとんどがガスの値段なのだと思っていました。
しかし、こちらはなんと1000円以下で買えてしまいます!日立製。
修理屋さんがもしこのガスを使っていたら、6000円の内訳はほとんどが工賃ということになりますね。
購入したのは以上3点。
合計しても3300円くらいです。
一回だけの使用でも修理屋さんの半分くらいの値段です。
エアコンガス充填作業
それでは作業に入りましょう。
まずはエンジンルームを開けます。
ふつうはボンネットを開ければいいだけですが、軽バンは車内の後部座席の下あたりにあるので、荷物をどかしたり座席をしまったりマットをめくったりとちょっと面倒です。
バモスの場合はエンジンルームのこの位置にエアコンガスが循環する2本のパイプがあります。
突起部のキャップにはそれぞれ「L」「H」と書かれていて、今回使用するのは「L」です。
くるくるまわしてキャップを開けると注入口が露出します。
このキャップを開けてもガスが噴き出してきたりすることはありません。
オイルとガスを入れる場合、はじめにオイルを入れた方がよいそうなのでオイル入りのガス缶をチャージホースに取りつけます。
ねじ込み式になっているので簡単に取りつけられますが、ここでひとつ注意が必要です。
ガス缶の接続部の上に蛇口のようなバルブがあります。
この先は針になっていて、これをくるくる回すことで接続部の内側を針が上がったり下がったりします。
缶を取り付ける際は穴が開かないように、この針をいちばん上がった状態にしておきます。
ガス缶を取りつけたら、次は車側のガス注入口「L」にチャージホースを接続します。
チャージホースの接続部は外側が上下にスライドするようになっているので、上にあげた状態で注入口に強く押し込み、いちばん奥まで入ったらスライドを元に戻せばロックがかかります。
これは少しコツがいるみたいで、私も2,3回やりなおしました。
最後にチャージホースの中の空気を抜きます。
ねじ込んで取りつけたガス缶を少し緩めると、車側のパイプから出てきたガスがチャージホースの中を通ってシューっと音がします。
ガスが出てくる音が聞こえたら空気抜きは完了。
すぐにまたガス缶をねじ込んで固定します。
これで準備OKです。
ちなみにガスをチャージする前のゲージの目盛りはこんな感じ。
完全に空っぽではなかったようですが、かなり少ないです。
青色の範囲が適正だそうです。
それではいよいよガスの充てん開始!
ガスの充てんはエアコンの温度を最低、風量を最大にした状態で行います。
ガス缶接続部のバルブを右回しに閉めていくと、針が缶のふたに突き刺さります。
いっぱいまで閉めたらこんどは反対に回せば刺さった針が少しずつ抜けていき、あいた穴からガスが噴き出し充てんが開始されます。
ガスが出はじめると缶が急激に冷たくなり、次第に結露してきます。
何分くらいだったか計っていませんが、逆に冷たくなくなったら充てん終了のサインです。
私の場合は缶をはずしたあと缶をさかさまにしたらオイルが残っていて出てきたので、充てんするときは缶をさかさまにしながらやった方がよいかもしれません。
チャージホースをはずすときは車側の注入口を先にはずします。
ガス缶を先にはずすとせっかく入れたガスが出てきてしまいます。
オイル入りガスを入れた後の目盛りはこんな感じ。
おしい!
ギリギリ青いところに届かず!
エアコンもあまり冷えていません。
200gのガスを同じ要領で続けて充てん。
充てん後の目盛りは、、
青いゾーンの真ん中あたり!
これで適正な量になりました。
さてさて、エアコンの調子は、、冷えてる!
やった~!
3日後、バモスに乗って家族で海に行きました。
最低温度の最大風量でエアコンを入れてしばらくすると、体が冷えてきたから弱くしてほしいと妻が言いました。
それだけエアコンが冷えるということですね。
やってみるまではちゃんとできるか少し不安もありましたが、やってみたらこんなもんかというくらいとても簡単な作業でした。
これで来年以降も快適なエアコンライフが送れそうです。
長年乗っている車や、買った中古車のエアコンの効きが悪いという方。
ぜひお試しあれ!
コメント
めっちゃ役立つ記事でした。
こういう技術的な内容をブログでの説明しているの良く見かけますが、大概なんだかわからないケースになっちゃってます。
でも今回のNEOさんの記事はよーく判った。自分でも古ーいジムニーJAのエアコンガスを充填してみよっかなーと思えました!ありがとー!