瞑想を毎日するようになってから二年くらいが経ちます。
もちろん、瞑想の効果をはっきりと実感しています。
今回は瞑想をこれからはじめてみたいという人でもすぐに実践できる瞑想のやり方と、その効果について書いてみます。
瞑想の目的
瞑想の目的は人によってさまざまだと思います。
なかには、霊的能力の開発や神秘体験などを期待して瞑想をはじめる人もいるかもしれません。
どんな目的であれその人の自由ですが、もし期待どおりのわかりやすい結果が得られなければ、その人はすぐに瞑想をやめてしまうでしょう。
せっかく瞑想に興味を持ったのに、それはとてももったいないことです。
はじめは何かしら変わった体験を期待して、瞑想に興味を持つ人は少なくないと思います。
しかし、ある特定のわかりやすい大きな変化だけを期待していると、小さいけど着実に起きているほかの変化に気づきにくくなりがちです。
神秘体験などのようなわかりやすい出来事を時として経験することもあるかもしれませんが、瞑想にはもっとシンプルだけど日常のさまざまなことに影響するとても奥深い効果があるのです。
瞑想に興味を持っても、何かしら目的がなければ瞑想を続けるモチベーションも維持できないと思いますので、ここではある一つの目的を持っていただくことをおすすめします。
瞑想の目的。
それは、思考からの解放です。
もう少しわかりやすく言えば、「何も考えない」ことです。
瞑想の効果として、
- 頭の中がすっきりしてクリアになる
- 気分をリセットできる
- 集中力がアップする
- 直観が冴えてくる
- あまりイライラしなくなる
- 物事がうまくいくようになる
などがよく挙げられます。
もちろん、私もすべて同感ですし、ここに挙げた以外にもさまざまな効果を実感しています。
ところで、瞑想にはなぜこうした効果があるのでしょうか。
すべては簡単に説明できます。
それは瞑想で、「何も考えない」ことを実践するからです。
瞑想のやり方
少し前置きが長くなりましたが、これを踏まえたうえで、誰にでもすぐに実践できる瞑想のやり方をご紹介します。
座り方は、座りやすく安定していれば、あぐらでも正座でも椅子に座っても何でも良いと思います。
手を置く場所もどこでもかまいません。
大事なのは型にはまった座り方をするのではなく、リラックスできて、長時間座っていても痛くならない自分なりの座り方をいろいろ試して見つけることです。
ただ、いくらリラックスできるからといって、眠ってしまっては瞑想にならないので、横になるのはあまりおすすめできません。
瞑想の基本は、呼吸の観察です。
呼吸の観察は瞑想方法の王道であり、瞑想の代名詞とも言えるほどどんなレベル、深さにおいてもその根底を流れています。
自分の呼吸(鼻呼吸)にひたすら意識を集中させる。
まずはこれを実践してみてください。
瞑想に慣れていない人は、1分もしないうちに何か考えはじめ、呼吸のことはもちろん自分が瞑想していることさえ忘れて次々と展開していく思考に没頭してしまうことが多いかもしれません。
自分が何か考えていることに気が付いたら、それを批判せず、気分一新してまた呼吸に意識を戻します。
思考に没頭、呼吸に意識を戻す。
また思考に没頭、また呼吸に意識を戻す。
瞑想とは、この繰り返しといっても過言ではありません。
自分の人生、過去の記憶や将来の妄想、悩みや不安など日常のさまざまなことが頭の中をかけめぐりますが、いつの間にかそういった思考に我を忘れてのみ込まれてしまう原因の一つは、無意識のうちにそれらを考えることが自分にとって大事なことだという認識があるからです。
瞑想をしている間は、ほかのどんなことよりも瞑想することがもっとも大事なことだと強い意志で覚悟する必要があります。
もしあなたが呼吸に意識を集中しているならば、呼吸に意識を集中すること以外何一つ大事なことはないということです。
「今、この瞬間」に気づく
瞑想の目的は、「何も考えない」ことだと先ほどお話しましたが、実はもう一つ大きな目的があります。
それは、「今、この瞬間」に気づいていることです。
瞑想の基本は呼吸の観察ですが、呼吸を観察する一つの理由は、「今、この瞬間」に起こっている呼吸に意識を集中することで、「今、この瞬間」に気づくためです。
毎瞬毎瞬、呼吸に気づいているなら、その人は「今、この瞬間」に気づいているということです。
しかし呼吸を忘れ、いつの間にか思考や妄想に没頭してしまえば、その人は「今、この瞬間」に気づいていません。
要するに、「今、この瞬間」に気づいているとは、「今、この瞬間」現在進行形で起こっている何かしらのことに気がついているということです。
思考や妄想だって「今、この瞬間」に起こっていることだ、と思う人もいるかもしれません。
もちろん、それは間違いではありません。
ただ、ほとんどの場合、思考と一体となり、思考に没頭していて、自分が思考していることに気がついていません。
自分が思考していることに気づきながら、意識的に思考しているなら、それは「今、この瞬間」に気づいています。
しかしそれ以前に、思考していることに気づいたなら、その時点で思考は止むはずです。
もし、完全に「今、この瞬間」に気づき続けることができたら、その人はあらゆる悩みや苦しみ、怒りから解放されます。
これこそ、瞑想の真髄です。
ただし、「今、この瞬間」に気づいているためには、「何も考えない」状態である必要があるのです。
これから瞑想をはじめようとしている方や「今、この瞬間」に気づく、といった言葉を聞き慣れていない人にとっては、この話はもしかしたら理解しにくいかもしれません。
簡潔にまとめると瞑想とは、「何も考えない」で、「今、この瞬間」に気づき続ける力を養う場、と言えます。
呼吸の観察以外のおすすめ瞑想法
瞑想でもっとも重要なことは、「思考からの解放」と「今、この瞬間」に気づき続けることの二点だと私は理解しています。
瞑想の最大の目的を、「今、この瞬間」に気づくこととした場合、そのために利用できるものは何でも利用したら良い、というのが私の考えです。
そんな私が実践し、実際に効果を実感していて、ぜひおすすめしたい瞑想法があります。
それは、「音を聴く」瞑想です。
瞑想の姿勢をして、目を閉じたら、自分の耳から聞こえてくる音をひたすら聴き続けるだけです。
雨の音、風の音、虫の鳴き声、鳥のさえずり、川のせせらぎなど、自然の音の方がより集中しやすいですが、通りを走る車の音、時計の秒針など、聞こえてくる音なら何でも構いません。
私の経験上、音を注意深く集中して聴いているときというのは、思考が静止します。
息を凝らして、耳を澄ましてやっと聞こえてくるようなかすかな音に耳を傾けた経験が誰にでもあると思いますが、その時、思考は止んでいたはずです。
その時と同じように、何も考えず、聞こえてくる音をただ聴きます。
何の音かといった判断をすることなく、音からふくらむイメージなどにも没頭せず、ただ純粋に聞こえるがままに無心で音を聴くのです。
音は「今、この瞬間」に聞こえています。
つまり、聞こえてくるがままに、ただ音を聴いているとき、あなたは「今、この瞬間」に気づいているということです。
この「音を聴く」瞑想法は、何かの本で読んだわけでも、誰に教えてもらったわけでもなく、ただ私が勝手にやっているだけですが、「何も考えない」ことと「今、この瞬間」への気づきという点においては、個人的には非常に効果があると感じています。
呼吸の観察よりも意識を集中しやすいので、瞑想初心者の人でも比較的やりやすいのではないかと思います。
ただ、一つ欠点をあげるとすれば、環境に依存することです。
この瞑想法だけに慣れて頼ってしまうと、いざその環境が整わないとき、例えば、音が何も聞こえない場所などでは集中できる対象がなくなり、瞑想ができなくなってしまう可能性があります。
その点、体の感覚や呼吸は、どんな環境でも消えることなく常に身近にあるので、意識を集中するための観察対象としても、「今、この瞬間」に意識をつなぎとめるアンカーとしてもゆるぎない安定感があります。
そういう意味では、音のような外的なものはあくまでも補助的な要素として位置づけて置いた方がよいかもしれません。
私は、自然の音などが聞こえる環境では、瞑想に音を最大限利用しますが、呼吸や体の感覚にも可能な限り同時に気づいているようにしています。
結局のところ、「今、この瞬間」への気づきとは、五感から立ち現われてくる感覚に毎瞬毎瞬気づいていることを言うのです。
もしあなたが、何も考えていない空っぽの頭の状態で、呼吸や、あるがままの五感の感覚にただただ気づいていることができるなら、世界はただ「今、この瞬間」五感によって知覚している感覚と、それに気づいている意識があるだけだということが実感できるはずです。
世界はそれほどシンプルなのです。
世界がとても複雑なように見えるのは、すべて思考がそうさせているのです。
それに気づくための一つの手段として、私は瞑想をおすすめしています。
本格的に瞑想に取り組みたい人へ
いろいろ書きましたが、私が本格的に瞑想に触れたのは、日本ヴィパッサナー協会のヴィパッサナー瞑想10日間コースに参加したのが最初です。
その時のことは以前、旧ブログ「地球生活」に詳しく書いているので、もし興味があればご覧ください。
私はこれまでヴィパッサナー10日間コースに何度か参加していますが、それ以外に、禅僧の山下良道さんが指導する鎌倉一法庵の5日間の接心にも何度か参加し、さらに瞑想の経験を積みました。
一法庵の接心のことも以前ブログに書いているので、もし興味があればご覧ください。
今回ご紹介した私の現在の瞑想法は、ゴエンカ式ヴィパッサナー瞑想や山下良道さんの瞑想法などを取り入れて、自分に合ったやりやすいやり方に統合した自分独自のやり方です。
もし、本格的に(悟りや覚醒などを視野に入れた)瞑想に取り組みたいという方は、なかなか時間をとるのは難しいかもしれませんが、こうした瞑想リトリートに一度でも参加してみることを強くおすすめします。
最後に瞑想の本のご紹介です。
これは非常に大きな気づきを私にもたらしてくれた本格的な瞑想の本です。
一日3分とか5分といった、軽いノリのエクササイズ的な瞑想を求めいている人にはあまりおもしろくないかもしれませんが、ガッツリと本格的に瞑想に取り組みたい人にはとても有益な一冊になってくれるはずです。
この本を読んで私が得た気づきに興味がある方は、こちらの記事をご覧ください。
2012年12月21日の翌日に起きた私の意識変革 | 地球生活
それでは、ステキな瞑想生活を!
コメント
澄んだ夜空に、まんまる輝くお月さま。
深まる冬を、日々感じています。
Homareさま、
お元気でいらっしゃいますか(^^)☆
Akemiさん
今日は満月ですね。
ブログはしばらく更新していませんが、
私は風邪もひかず毎日元気ですよ♪
気にかけていただいてありがとうございます☆
最近ではYouTubeで
野原の小鳥のさえずりとか
川のせせらぎの音声がアップされています。
動画再生時間は
長いもので8時間!!
動画の見れるスマホがあれば
簡単に「音を聴く瞑想」の環境が整えられるかと。
「meditation natural」
と検索すれば色々できてきますのでご参考に。
また
「meditation」で検索しても
瞑想するための静かな音楽が検索できます。
こちらの方は好みが分かれそうですが
もしよければ色々聞いてみてください。
ちなみにこちらの方の再生時間も
長いもので8時間です。
ichi さん
役立つ情報ありがとうございます。
この記事を読んでくださる方にも参考になりそうですね。
つい最近購入した瞑想の本の中で
本記事で書かれているような「聞く瞑想」のことについて少し触れられていました。
それによると
「コツは遠くの聞き取りにくい小さな音に意識を集中して、録音マイクにようにその音を拾うこと」
だそうです。
これを応用すれば、
マイケル・ジャクソンやビートルズといった
自分たちの好きなアーティストの曲を最小限のボリュームで流し、
それに意識を集中させる、
というやり方も効果的なのでしょうか?
ちなみに自分の場合は
脳に良いとされているモーツァルトを最小限のボリュームで聞いています。
私の部屋はエアコンの暖房の音がそこそこうるさいので、
モーツァルトを聞きとるのに
より集中力が必要です。
ichiさん
考えごとや思考が静止することが目的なので、その助けになるならどんな音でも曲でもよいと思います。
こんにちは。
ゴエンカ氏の10日間コースと一法庵での瞑想、耳を澄ませると瞑想が進むこと、さらに岡山県(地元です)にいらっしゃることなど、自分がブログを書いているのかと錯覚してしまうくらい共通点が多く、ついついコメントしてしまいました。
ただ私の場合は、まだまだ瞑想は深まっておらず、微細な感覚を感じるところ止まりで、ブログの主さんほどの体験はしていません。ですので、こちらのブログが大変に参考になります。ありがとうございます。今後も、地道に瞑想を続けていこうと思っていますので、こちらのブログも多いに参考にさせていただきます。
しょうさん
コメントありがとうございます。
ブログの記事がお役に立って良かったです。
最近は山暮らしの記事ばかりなので、瞑想関係の記事で興味を持っていただけるのは嬉しいです。
はじめまして。お隣広島県の者です。
ウィパッサナーをいろいろ検索していたらここにたどり着きました。
瞑想ははじめたばかりで、しかも誰に習っているわけではないのでとても参考にさせていただいております。
こちらも山の土地と農地を四年前に購入し、コツコツ家を建てておりますので、Homareさんの家造りで使われた屋根材等も参考にしております。
お隣でもありますし、いつかお会い出来るようなご縁を感じます。その時を楽しみに。
合掌
コメントありがとうございます。
ブログの内容がお役に立てて嬉しいです。
岡山方面に来ることがありましたらお立ち寄り下さい。