野生のシカが教えてくれた宇宙とつながる方法

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野生のシカ

私が今現在住んでいる家は山際にあって、まわりは木々でおおわれています。

ときには、窓の外にシカの姿を見ることもあります。

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これは昨年の、夏のある休日の話。

部屋にいると窓の外で何やら物音がしたのでそっとのぞいてみると、そこにはシカの姿がありました。

シカは何かの気配を感じるとその方向をしばらくじっと見つめる習性があるので、シカを見つけると目が合うことがよくあります。

案の定、そのときもシカは二階の部屋からのぞいている私の気配に気づき、私と目が合いました。

私はこの時ふと、シカが目をそらすまでずっと目を合わせ続けてみよう、と思い立ち、ただ一心にシカの目を見つめ続けてみることにしました。

シカもなかなか目をそらさず、私とシカはお互いにしばらく見つめ合い続けました。

すると、ある瞬間、私はなんとなくシカのあたまの中がわかったような気がしたのです。

シカと見つめ合っているとき、私はいっさい何も考えず、心の静寂の中で、ただシカの目を見つめていました。

私はシカの目をただ見つめるという行為とともに、完全に「今この瞬間」に在りました。

で、シカの頭の中はどんなだったか。

なんと、シカもいっさい何も考えず、心の静寂の中で、ただ私を見つめていたのです。

正確には、そんな気がした、というだけですが、私もシカも何も考えず頭は空っぽの状態で、ただお互いに見つめ合っていたわけです。

そして、お互いに同じ「今この瞬間」の場を共有していたのです。

シカの心の中はなんて静かなんだ。

私の心も静かだったのですが、シカはもっとずっと深い静けさのなかを生きているような気がしました。

私はこの時、覚者エックハルト・トールの著書「ニュー・アース」のある部分を思いだしました。

その部分を引用します。

自然は無意識のうちに全体とひとつの状態として存在します。だから、たとえば2004年の津波災害でも、野生動物には事実上被害はありませんでした。人間よりも全体と触れ合っているから、見たり聞いたりするよりずっと早く津波の襲来を知って、高台に逃げることができたんです。いや、これも人間の視点から見た言い方でしょうね。動物たちはただ高台に移動した、それだけかもしれない。

私と見つめ合っていたシカも、私のことを警戒していたり、恐怖に感じていたりしていたわけでなく、ただ私を見ていたような気がするのです。

野生動物はあれこれ考えることなく、常に「今この瞬間」の静寂の中を、ただ動き、ただ生きている、それだけなのかもしれません。

何の制限も判断も批判もなく、心のおもむくままに、あるがままに、ただ瞬間瞬間のインスピレーションにしたがって行動する。

それが全体とひとつの状態、つまり宇宙とつながっている状態なのかもしれません。

あれこれ考えた結果ではなく、ただなんとなくそうしただけなのに、タイミングが驚くほどぴったりだったり、望ましい結果につながったりした経験は誰にでもあると思います。

つまり、全体とひとつの状態にあるとき、私たちの行動を決めるのは「直感」ということです。

上の引用の、「動物たちはただ高台に移動した」の「ただ」とはそういうことだと思います。

ところで、私とシカのにらめっこはシカの方が先に私から目をそらし、どこか別の方を見たことで終わりました。

シカはそのときも、ただ別の方を見た、それだけなのかもしれません。

私と目を合わせているのが照れくさくなったわけではないはずです(笑)

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コメント

  1. Akemi より:

    この感覚・・・とてもよくわかります。
    そうなんですよね・・・
    もとを辿れば、ただひとつ。
    わたしたち人間も、大自然の(宇宙の)単なる一部分ですものね。
    シカさん… 照れ隠しで「あっちむいてホイ♪」したのかも。。。なんて(笑)

    • Homare より:

      自然にふれると癒されるのは、そこには大いなる存在、宇宙のリズムに完全にゆだねられた無駄のない完璧な表現があるからなんだと思います。

      • Akemi より:

        誉さんのお返事・・・
        なんて美しい言葉なんだろうと思いました。
        こころに響きます。
        ステキな言葉をありがとうございます☆
        (それだけ伝えたくて。たびたびのコメント、ごめんなさい・・・)