岡山の山林に移住して 11年目の今年、我が家では犬を飼うことになりました。
以前から、番犬として犬を飼うことを検討していて、子犬が生まれたら声かけてほしいといろんな知り合いに話していました。
山の中に小屋を建てて暮らしている我が家では、小屋の周辺で小規模な畑をやっていて、これまで何度もイノシシにメチャクチャにされてきました。
はじめのころは獣害対策などまったくしていなかったので、荒らされても仕方がないのですが、番犬がいればイノシシやシカよけになるのでは?という期待がそもそもの犬を飼う動機でした。
しかし、都合よく番犬に適した犬がわが家にやってくるわけでもなく、少しずつ獣害対策もしていきました。
まずはネットで畑を囲ってみました。
もしかしたらこれでいけるんじゃないかという甘い期待はもちろん打ち砕かれ、簡単に突破されました。(あたりまえだ!)
これではイノシシに食わせるための作物を汗水たらして作っているみたいになってきていたので、覚悟を決め、しっかりとワイヤーメッシュで柵をつくりました。
ここまでやれば大丈夫だろうと思い、柵の中ではイノシシの好物のサツマイモやジャガイモなどのイモ類を中心に栽培していました。
秋も深まり、数日後にはサツマイモを収穫しようと頭の中で思案していた矢先、なんとワイヤーメッシュもこじ開けられ、突破され、柵の中のイモ類が一夜にして全滅。

こじ開けられたワイヤーメッシュ

一夜にして食い尽くされたサツマイモ畑
そのメチャクチャにされた無残な畑を見て愕然とし、イノシシに対してふつふつと沸き起こる憤りを感じながら、「ここまでやってもダメならもう番犬を飼うしかない」と思いました。
しかし、犬の縁はその後もなく、一度粉々に打ち砕かれた私の畑のやる気はなんとか少しずつ再燃。
翌年は、さらに畑を拡張し、柵もさらに頑丈につくりました。

拡張中の畑 – 現在は右上段部分まで柵を延長し2倍の広さに
そして昨年の秋、サツマイモの栽培をはじめて3年目にしてようやく人間の口に入れることができたのです!
イノシシに勝った。。
求めているものは、欲しい欲しいと言ってる時はなかなか手に入らず、すこし力を抜いて、なかばあきらめ気味に、どっちでもいいやという態度になると不思議と引き寄せる、という話を聞いたことがありますが、今回犬を飼うことになった経緯はまさにそんな感じです。
この冬、子犬の話をいただいたとき、はじめは少し迷いました。
イノシシの被害にあわない畑が出来上がり、犬の必要性は以前ほどなくなっていたからです。
また、犬はかならず日々の世話が必要なので、長期の外出ができなくなることも気がかりでした。
しかし、こんなチャンスは何度もあることではありません。
我が家に必要があってこの話が舞い込んできたのかもしれません。
(ふたたびイノシシに柵を突破されるのか?)
産まれてきた子犬は、我が家に何かしらの縁があるのかもしれません。
迷いながらも結局、飼うことにしました。
あれこれ考えている思考を超えた心の奥の方では、はじめから「飼う」という選択肢しかなかったような気もしています。
さて、畑の話が長くなりすぎましたが、我が家にやってきた犬、犬種は甲斐犬です。
私は甲斐犬という種類を今回飼うことになるまで 全く知りませんでした。
私と同じように甲斐犬をこのブログで初めて知ったという方もいるかもしれないので、甲斐犬について簡単に説明しておきましょう。
甲斐犬は日本に古くから 生息している日本犬と呼ばれる犬の一種。
代表的な日本犬は以下の6種類で、国の天然記念物に指定されています。
- 柴犬
- 秋田犬
- 北海道犬
- 甲斐犬
- 紀州犬
- 四国犬
私は柴犬と秋田犬しか知りませんでした。
甲斐犬は山梨県や長野県の山間部で古くから猟犬として飼われてきた歴史があり、運動能力は抜群、主人に忠実で、一代一主(一人の飼い主に一生尽くす)ともいわれています。
- 日本に古くから生息している日本犬
- 山間部で古くから猟犬として飼われてきた歴史
- 運動能力は抜群
- 一代一主
どれも私の心を引き付けます。
甲斐犬を飼いたくて飼ったというわけではなく、たまたま譲っていただけるというお話をいただいた子犬が甲斐犬だったわけですが、甲斐犬についていろいろ調べていると、甲斐犬を飼うことに、そしてこれから甲斐犬とともに生きていくことに、とてもわくわくしています。
山の中で暮らす我が家にとって、番犬としての役割を期待していた我が家にとって、ぴったりの犬が来てくれたと思っています。
今は我が家のアイドルです。
ありがとう。