湧き水の水質検査をしました。
今回は、私が利用した水質検査の方法をご紹介します。
我が家で利用できる水
上水道を引いていない我が家では、利用できる水が2種類あります。
ひとつは、敷地内を流れる谷川。
これは主な水源がため池なので、あまりきれいな水とは言えません。
私は谷川の生水を何回か飲んだことがあります。
おなかをこわすこともなく飲めないこともないのですが、土がまざっているしにごりがあるので飲用にはむいていません。
テント生活をしていたころは簡単にろ過して、煮沸して飲んでいましたが、妻が妊娠してからは飲むのはやめました。
もうひとつは、我が家の住まいである小屋の裏の山の斜面の下からに湧き出ている水です。
この水は谷川の水とは違い夏でもひんやりしているので、我が家ではもっぱら夏場の冷蔵庫として利用しています。
通常は無色透明ですが、雨が降ると湧き出る量が増えてにごるので、湧き水といっても深層水ではなく浅い地層を流れてくる水だと思われます。
だからといって、しばらく雨が降らなくても完全に水がとまることはありません。
私は以前から、この湧き水は飲み水として利用できるのではないかと思っていて、実際に生水を何回か飲んでみましたが、何も問題はありませんでした。
しかし、この水を我が家で飲み水として利用するにあたって、私が飲んで大丈夫だったからこの水は飲める水だ、というのはちょっと説得力に欠けます。
私ひとりだったら簡単にろ過してそのまま飲用として利用してしまいそうですが、嫁や子供はそういうわけにはいきません。
家族が安心して飲むためにも、安全な水なのかどうかしっかりとした確証を得るために、家の裏の湧き水の水質検査をすることにしました。
水質検査キットの種類
さて、水質検査にはどんな方法があるのかネットで調べてみたところ、もっともお手軽なのは水質検査キットの利用です。
水質検査キットにもいろいろあって、はじめに目がとまったのはこれ。
これはpH、鉄、COD、亜硝酸、全硬度の計5項目の検査ができ、井戸水の安全を自分で確認できるというキットです。
値段も安くお手頃ですが、この5項目を検査したところで飲み水として安全かどうか判断するのは不安が残ります。
もう少し検査項目の多いものを探してみました。
これは先ほどのキットよりも値段が高いですが、10個の検査項目があります。
説明文にはこうあります。
このキットがあれば、専門機関へ検査を依頼する必要はありません。(中略)
この製品は飲用水を安全に、かつ安心して飲んでいただくことを目的に、手頃な価格で簡単に本格的な検査ができるように作られています。
これなら細菌検査などもできて、飲料水の安全性を判断できそうです。
しかし、これで適正な値が出たとしても、すっきり安心して飲めるかというとやはり不安が残ります。
結局のところ、自分で検査することで、「本当にしっかり検査できているのか」という不安がどうしても付きまとってしまいそうなのです。
それを言ったら、どの検査キットで検査しても、自分でやる以上は結局不安が残ってしまうということになってしまいます。
飲料水として安全な水なのかどうかしっかりとした確証を得るためには、やはり専門機関に依頼するのがベストです。
そう考えてまたいろいろと見ていると、楽天でこんな商品を見つけました。
これは、水を採取するボトルなどのセットを宅配便で送ってくれて、水を入れてまた返送し、専門機関による検査結果を後日郵送してくれる、という商品です。
検査項目は、一般細菌・大腸菌・塩化物イオン・有機物・pH・味・臭気・色度・濁度・硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素・鉄・硬度・マンガン・亜硝酸態窒素の全14項目。
これは一般的に飲料水検査に用いられる検査項目と、さらにいくつかの項目が追加されているということです。
ここで飲料水に適した検査結果が出れば、何の不安も残らず安心して飲めそうです。
というわけで、今回の水質検査はこちらの「宅水検」を利用することにしました。
「宅水検」にはいくつかの検査コースがありますが、今回は飲み水として利用できるかどうかの判定ができればいいので、「飲料水安心コース」を選びました。
「宅水検」の水質検査のやり方
楽天で商品を購入すると、さっそく宅配便が届きました。
開封して中身を確認してみます。
中には4種類の採水ボトルと採水のやり方が書かれた説明書、返送用の着払い伝票などが入っています。
採水のやり方から返送方法に至るまで、わかりやすく詳細に書かれた説明書があるので、なにも難しいことはなさそうです。
さっそく説明書の指示通りに、ボトルに湧き水を入れていきます。
湧き水は使いやすいように、水が湧き出ている水たまりから塩ビパイプをのばし、さらにそこから半割にした竹で水を引いてきてバケツにためています。
バケツからあふれ出た水を鍋で受けて、この水をボトルに入れました。
これならバケツにたまった上澄みの水なので、土やその他の有機物など小さな雑多なゴミが入りにくいと考えました。
4本のボトルに水が入りました。
採水日時を記入。
事前調査の簡単なチェック項目があります。
該当するものがなかったので、その他の欄にコメントを書いておきました。
カスタマーレビュー。
4本のボトルとこれらの書類を、最初に送られてきた箱にすべて入れて「採水済」のシールで封をします。
着払い伝票には送り先やその他の情報がすでに印字されているので、依頼主の蘭を書くだけです。
伝票を書いたら箱に貼って、返送準備完了です。
クール便を指定するように、「冷蔵」シールまで用意されています。
電話をしてヤマト宅急便の集荷に来てもらう段取りの説明までありますが、私はこんなへんぴなところに取りに来てもらうのは申し訳ないので、採水した当日に最寄りのヤマトに持ち込みました。
あとは検査結果を待つだけです。
検査結果
だいたい10日前後で検査結果を郵送すると書かれています。
私の場合は9日後に届きました。
さてさて、検査結果はいかに・・・。
なんと!
すべての検査項目で「水道法の水質基準」に適合していました!
やったー!これはうれしい!
小さくてよく見えないと思いますが、これが検査結果の報告書です。
しっかりとすべての数値が記載されていているので、基準値と照らし合わせて見ることができます。
事前調査のチェック項目で私が書いたコメントに対して、以下のような回答がありました。
今回の水質検査では、「水道法の水質基準に適合」となりました。
今回の検査結果は全ての項目で基準値を下回っており、この湧き水は大変素晴らしい水質です。どうぞ安心して飲用に御使用下さい。
「この湧き水は大変素晴らしい水質です。」
専門機関にここまで言ってもらえると、もはやなんの不安材料もありません!
21世紀は「水の時代」ともいわれています。
人口増加や環境汚染、地球温暖化などによる水不足が懸念され、世界では水資源をめぐる紛争も勃発しています。
日本も、中国などの諸外国の企業に国土の水資源を買いあさられている、なんていう噂もあります。
私が子供のころは、飲み水なんて水道の蛇口から出てきた水をそのまま飲んだものですが、いつのころからか、ペットボトルに入った水を買って飲むのがあたりまえの時代になりました。
そんな飲み水が貴重なものとなりつつある時代にあって、家のすぐ裏に生でそのまま飲める湧き水があり、飲み水の自給ができるのはとても贅沢で、非常に価値のあることだと思います。
我が家の飲み水は、以前は専用ボトルを購入しスーパーでくんできていましたが、ここ一年くらいは車で20分くらいのところの山の湧き水をくみに行っていました。
水をくんでくるのはいいのですが、車を降りてから距離がある我が家では、水を入れたタンクを山道を歩いて運ばなければならないのが少々重労働なのです。
しかし!もうその必要もなくなりました!
家のすぐ裏に生でそのまま飲める水があるのです。
まさかこんな近くにあったとは。
これからは飲み水の自給ができます。
コメント
すばらしい!
神様からの贈り物。
命の水ですね、水はあらゆるものの最上にいます。
石油よりも上位にいますね。
生物、何がなくても水なくば生きていけませんね。
おっしゃるとおりだと思います。貴重な資源が自由に利用できるのは本当に贅沢です。