image:Van helsing
熱を動力に変えることが出来る、スターリングエンジンをご存じでしょうか?
ロバート・スターリングという人によって最初に実用化されたのが、19世紀初頭。
一時は普及したものの、後に登場した高性能なガソリンエンジンが主流になったことで、次第に姿を消していったという歴史があります。
しかし近年、地球に優しいエコなエンジンとして、世界中の様々な研究機関や企業で実用化に向けた研究がされているようです。
エンジンの仕組みは、素人の私にもわかるほどシンプルです♪
シリンダーの片側を熱することで空気が膨張し、反対側に押しやられた空気が今度は冷却され収縮。
この空気の膨張と収縮の繰り返しが、ピストンの動力になるというわけです。
仕組みの解説はこちらのサイトがわかりやすかったです。
http://members.jcom.home.ne.jp/kobysh/stirling/stirlingIntro.html
スターリングエンジンのすごいところは、熱源さえあればそれが何であっても動力に変換できるという点です。
シリンダー内部に20℃以上の温度差ができればよいらしいので、体温でエンジンを動かすことも出来てしまうのです。
また、エンジンにモーターを取り付けることで、発電することが可能です。
先日の【森林の仕事 「林業就業支援講習」に参加します】という記事で紹介した「林業就業支援講習」で、「木材の利活用」についての話の中で講師の方が、木を燃やした熱を利用して発電できるシステムとして紹介していたのが、このスターリングエンジンでした。
木材や廃材などのバイオマス資源は、再生可能なエネルギーとして近年注目されていますが、スターリングエンジンの熱源としても研究開発がすすめられているそうです。
大阪万博公園では実証試験が行われているそうです。
http://www.satokei.co.jp/system
また、東京・あきる野市の「瀬音の湯」では、木質バイオマスを熱源とした自家発電機としての運用実績があるようです。
http://www.eco-stirling.com/se-plaza.html
他にも、いろいろ調べてみると、太陽熱を利用した発電システムもアメリカやドイツなどで開発され、すでに実用化されていたり、ゴミ焼却によって発生する熱や工業廃熱など、何かの過程で発生する熱をエネルギーとして有効活用する取り組みも行われているようです。
研究・開発・実用化に関しては、こちらのサイトが参考になります。
http://www.juntsu.co.jp/mainte_guide/mainte_guide_old/mainte_guide0808.html
ただ何かを燃やして熱を発生させるだけで電気を生み出すことができるスターリングエンジンは、ライフラインが断たれた被災地などで、非常用発電機としても注目されているようです。
小型で高出力な発電機として一般家庭に普及するには、いろいろと解決しなければならない問題がまだありそうですが、もし実現すれば、キッチンや風呂、暖房器具など、家庭内で毎日の生活で発生するすべての熱を利用して発電し、電気の自給も可能になるかもしれません。
私は自給自足的な暮らしなんていう夢もあるのですが、自家発電設備を太陽光発電だけでなく、熱源ごとに設置した小型スターリンエンジン発電機と組み合わせることが出来れば、天候に左右されることなく安定した電気の自給も可能になります。
いろいろと妄想はふくらみますが、こんな商品が販売されているので、まったく夢のような話でもなさそうですね。