小屋倒壊も覚悟!屋根の上におおいかぶさる木をチルホールを使って伐採!【動画あり】

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2018-12-29_22h19_28

家の屋根の上におおいかぶさるように生えていた木を、いよいよ伐採することにしました。

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我が家は山林に建てた小屋に住んでいます。

小屋の裏は傾斜になっていて、そこから屋根の上に向かって大きな木がななめに生えています。

もともと同じように生える木が二本ありましたが、2年くらい前に一本(左)は伐採しました。

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その時は屋根が少し破損する程度でなんとか伐採に成功しましたが、今回切ろうとしている木(右)は前回よりもひと回り太いし、完全に屋根の上に伸びているので格段に難易度が高いです。

そもそも小屋にかぶさってくるような木は、小屋を建てる前に切っておけよ言いたいところだと思います。

もちろんそうなんですが、その時は木の根で支えられている傾斜地の地盤が、木を切ることによって根が腐り崩れやすくなることを心配してあえて切らずにのこしました。

それをどうしていまさら切ることにしたのか、それにはいくつか理由があります。

我が家のトイレとお風呂は現在、どちらも吹きっさらしの屋外に仮でつくった簡単なものを使っていて、ぼちぼちちゃんとしたものをつくろうと計画中です。

場所は小屋の横を考えているのですが、この木があることでそこにはほとんど日があたりません。

トイレはともかく湿気の多いお風呂にほとんど日があたらないのは不衛生なので、できれば木を切って日あたりを良くしたいのです。

もし木を切らなかった場合、トイレとお風呂をつくってしまうと木を倒す場所がなくなってしまうので、この先気が変わって木を切りたいと思ってももう切ることができません。

なので、切るならいまこのタイミングなのです。

もうひとつの大きな動機は、昨今の異常気象です。

昨年(2017年)の台風18号や今年7月の豪雨のあとなど、強風や雨で地盤が緩んだせいであちこちで倒木がありました。

私は仕事がら山に入ることがよくありますが、あちこちで倒木を見かけるたびに家の裏の木が気がかりでした。

枝を広く伸ばしたそれなりの大木なので、木の重みは相当なものだと思います。

木自身も倒れないようにしっかりと根を張っているとは思いますがななめに生えているぶん、まっすぐ真上に生えているよりは倒れやすいはずです。

これから先も強風や大雨のたびにこの木のことが心配になって来ると思うので、それならいっそのこと切ってしまった方がよいと考えるようになりました。

木を切ることで傾斜地の地盤が崩れやすくなるというのが、いままでこの木を切らずに残していた理由でしたが、それに関しては、ここに住んで土地のことがいろいろわかってきた現在ではそれほど心配はいらないと思っています。

それよりも、木を切ることのメリットの方がいまは大きいです。

つらつらと書きましたが、そんなわけで木を切ることに決めました。

木は屋根の上に向かってななめに生えているので、ふつうに切れば確実に小屋が木の下敷きになり倒壊してしまいます。

それをなんとか小屋をかわして倒すためにあれこれ作戦をねりました。

これまで小屋のまわりの木をチェンソー以外の道具は使わず何本も切ってきましたが、倒れた木でいろんなものを破壊してきました。

今年の春はせっかくゲットした念願の太陽熱温水器のパネルを倒れた木が直撃し、ガラスがバリバリに割れて使い物にならなくなってしまうという失態をおかしてしまいました。

本当にあれはもったいないことをしました。

しかし、今回ばかりは小屋を破壊することになるのでもったいないではすまされません。

まず何よりも、倒れる方向を確実に変える必要があります。

そこで今回はチルホールを使うことにしました。

チルホールとはワイヤーを使った手動ウィンチのことで、林業の現場などで伐倒方向をコントロールするときに使う道具です。

知り合いに借りることも考えましたが、自分で持っていればいつでも使いたいときにすぐに使えるので、この際買ってしまうことにしました。

ただ、チルホールは7、8万円くらいするとても高価なものなので、気軽に買えるものではありません。

ネットでいろいろ物色していると、中国製の安価なものが出回っているのを見つけました。

絶対に失敗が許されない場面で使う道具なので、使用中に壊れてしまうようなものでは困りますが、意外にもレビューを見るとわりとしっかり使えるという意見が多かったので、これを買ってみることにしました。

さて、これで木が倒れる方向をある程度コントロールできるようになるのですが、対象の木は枝を長く伸ばしているので、たとえチルホールで倒れる方向を変えたとしてもほぼ確実に枝が屋根を直撃します。

また、800kgとは書いてあるものの中国製のチルホールが実際どれだけの重さを引っ張れるのか未知数なので、できるだけ木を軽くしておきたいということもあり、いきなり木を倒すのではなく、まず枝を切り落として幹だけの状態にしてから切ることにしました。

脚立でまず屋根に上り、屋根の上から二連ばしごを伸ばして木に上りました。

高所作業で万が一木の上から落ちたら屋根が壊れるし、身も危険なので伐採作業中は念のため命綱をつけました。

枝といっても結構な太さと重量があるので、そのまま切り落として落下させれば屋根が破損してしまいます。

切った枝の太い方が落下しないように切り口付近をロープでしばり、そのロープを近くの枝に引っ掛けて結びました。

こうすれば切った後、枝の太い方は宙づりになり、少しずつロープを伸ばしていけば屋根の上にゆっくりと衝撃を与えずに下ろしていくことができます。

枝の伐採では屋根が数か所破損しましたが、簡単に修理できる程度だったのでよかったです。

枝の伐採風景の動画も撮ったので、見てもらえれば様子がわかると思います。

枝を切り落としたら、いよいよ幹の伐採です。

伐採は以下の図のような方法で行いました。

伐倒解説図

手前側が屋根で、屋根の方に傾いて重心がかかっています。

ふつうに切れば傾きの矢印の方(屋根の上)に倒れるので、伐倒方向の矢印の方に倒れる方向を変える必要があります。

そのために、まずは重心とは反対側の右寄りからチルホールで引っぱり固定。

ワイヤーにテンションがかかっていれば、ワイヤーが切れない限り傾きの矢印の方に倒れることはありません。

あとはチルホールで引っぱる方とは反対側からチェンソーを入れていきます。

ある程度(1/3くらい)まで切ったらチルホールで引っぱり、また少し切ったらまた引っぱりというのを2、3回繰り返しました。

真ん中あたりまで切った時点でもう倒れそうな感じがしてきたので、最後はチルホールで引っぱり倒しました。

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倒れた木が弾んだり転がったりして小屋にあたらないように、根元はロープでしばっておきました。

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動画を見ると結構弾んでいて、ロープでが役に立った様子がわかります。

木が倒れるときに邪魔になるまわりに生えていた細い木を事前に切ったのですが、倒れた木のストッパーにするために少し高めに切りました。

ねらい通り倒れた木のつっかえ棒として役立ちました。

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私の手と比べると木の太さがだいたいわかるかと思います。

ちなみに私の手は20cmくらいです。

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当日は、屋根の上に木が倒れて小屋が倒壊するという最悪の事態も覚悟して伐採作業にのぞみました。

伐採作業中はドキドキで、小屋をかわしてねらい通りのところに倒すことができたときは本当によかったと安堵感でいっぱいでした。

何はともあれ、これでもうこの先小屋に木が倒れてくる心配はなくなり、新しく作る予定の風呂小屋にも日が当たるようになりました。

万歳!

もっと早くにチルホールをゲットしておけばこれまで数々の無駄な破壊行為をしないですんだことを思うと、少し悔やまれます。

今回ほどハラハラドキドキの伐採はもうないと思いますが、切りたい木はまだまだあるのでこれからは破壊の可能性があるときは一か八かではなく、伐倒方向をしっかりコントロールして安全に切ろうと思います。