「緑の雇用」とは、審査の結果認められた林業事業体に採用された人に対し、新人育成を目的とした助成金制度です。
この6月分から私の給料の一部は、「緑の雇用」事業の助成金でまかなわれています。
本当にありがたいです。
私が働いている会社は林業ではなく炭焼きですが、山の仕事、森づくりという意味では共通する部分もあるということで、「緑の雇用」制度の認可を受けています。
「緑の雇用」ウェブサイト RINGYOU.NET 新たな森林・林業の担い手を応援!
「緑の雇用」事業では就業年数に応じて研修の内容をステップアップさせ、将来の森林の担い手になるために必要なさまざまな技能を身につけられるよう体系的に研修プログラムが作られています。
ホームページより
研修のほとんどは、OJT(On-the-Job Training)といって、決められた研修項目を会社で働きながら行いますが、年に約30日ほど都道府県ごとに合同で集合研修があります。
集合研修は2回に分かれていて、先週その一回目に参加してきました。
私は先月、この「緑の雇用」とは別で、19日間の林業就業支援講習を受けていたので、内容的にはかぶる部分もありました。
今回の研修では、特にチェーンソーのめたてとワイヤーの編み込みに熱中しました。
チェーンソーは使っているうちに切れなくなってくるので、専用のヤスリで小まめに刃を研いでやる必要がありますが、切れる刃をつくるには正しい知識と技術、ある程度の経験が必要です。
私もまだまだこれからです。
研修の講師をはじめ、林業にたずさわる人たちと接する中で、林業のきびしい状況などを聞く機会もありました。
現在の日本の林業は、間伐や道づくりなどの国の補助金があることでなんとかぎりぎり成り立っているというのが現状のようです。
安い外材に対抗するために、どれだけ低コストでできるかというところで苦労しているわけですが、日本の林業を支えるためにはこうした補助金だけでなく、たとえば家を建てる際に地元材の利用には補助金給付や減税などをして、もっと国産材を積極的に利用する方向で国が協力して動いていく必要があると私は素人ながらに思います。
日本の人工林はスギやヒノキの針葉樹林がほとんどですが、現在の国の方針は環境に配慮した森づくりへと変わってきているようで、新たに植林する土地にはコナラやクヌギなどの広葉樹が植えられることもあるようで、将来の日本の森は広葉樹と針葉樹の混交林に姿を変え、美しい景観と天然更新の自然林の豊かさが期待できそうです。
今住んでいるところから研修場所まで、毎日通うのはちょっとしんどい距離だったので、研修期間中は車中泊生活をしながら研修に参加してしてきました。
去年は車中泊の旅をよくしたので、車には車中泊生活グッズがそろっていて、カセットコンロでご飯炊いたり、温泉入ったりとまた旅気分も味わえて楽しかったです。
「緑の雇用」ではOJTと集合研修のほか、チェーンソーや刈払機、重機の技能講習の受講も必須項目になっています。
先月の林業就業支援講習でチェーンソーと刈払機、小型車両系建設機械の講習をすでに終了しているので、私の場合、「緑の雇用」の1年目で以下の技能講習を受講する予定です。
- 玉掛け技能講習
- 小型移動式クレーン運転技能講習
- 車両系建設機械(整地・運搬・積込用及び掘削用)運転技能講習
ありがたいことに、これらの費用もすべて「緑の雇用」事業で負担していただけます。
昨年の秋に炭焼きに興味を持って、ほんの数週間後に今の会社で働かせてもらえることができただけでも私はとても恵まれていると思っていますが、まさか自分が現場作業のこんなさまざまな資格まで取得することになるとはまったく想像もしていませんでした。
自分でも、自分がどんな方向に進んでいるのかまったく見当がつかないだけに、これからの展開が楽しみです。
なによりも、助成金がなければ、私が今の会社で働かせてもらうことは現状ではきびしいと思うので、「緑の雇用」制度には本当に感謝です。